

今年の夏も厳しい暑さが続き、高齢者の熱中症リスクが例年以上に高まっています。
2025年9月1日に東京都消防庁から、夏季の熱中症による救急搬送件数が過去最多を更新と発表されました。熱中症による救急搬送の多くが65歳以上の高齢者であることが指摘されていることから、環境省・東京都の発表をもとに、大切な人の命を守るために、熱中症対策をまとめます。
【この記事のポイント】
✓ 2025年8月末時点で熱中症搬送者数が過去最多を更新(8341人)
✓ 高齢者の搬送が全体の約6割を占める深刻な状況
✓ 室内での熱中症死亡者の8割がエアコン未使用
✓ 9月以降も残暑が続くため継続的な対策が必要
✓ 水分補給とエアコン使用が命を守る最重要ポイント
熱中症の最新状況と9月以降の予測
夏季の熱中症搬送件数、8月末で過去最高を更新-東京消防庁
東京消防庁の報道発表によりますと、2025年6月から8月末までに熱中症や熱中症疑いで搬送された人数は8341人(速報値)で過去最多を更新しました。
2025年は集計期間に1ヶ月を残してすでに過去最多を更新しています。
気象庁によると、9月以降も気温が高くなる見込みで、厳しい暑さが続くことが予想されています。
9月に入っても、熱中症アラートは、多くの地域に発令されています。残暑が続きますので、真夏と変わらない熱中症対策を続けていくことが必要です。
そのような中、8/22日に発出された環境省の通知熱中症予防に関する注意喚起では、熱中症対策をさらに強化することを各方面に求めています。
具体的アドバイス~水分補給と暑さを避ける~
環境省が発行した「高齢者のため熱中症対策」-2023年5月改訂-リーフレットより 具体的なアドバイスを紹介します。
高齢者のための熱中症予防には、水分補給と暑さを避けることが大切です。
加齢により、暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなることが指摘されていますので、高齢者は特に注意が必要です。
■エアコンを上手に使う
東京都監察医務院によると熱中症により屋内で亡くなられた方のおよそ8割は、エアコンが設置されていてもエアコンが使われていなかったと指摘されています。
熱中症は、室内や夜間でも多く発生しています。節電にも配慮して適切にエアコンを使うことが大切です。
■のどの渇きを感じなくても、こまめに水分補給
のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分を補給するように心がけてください。
よくあるご質問
Q: 高齢者はなぜ熱中症になりやすいのですか?
加齢により暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなり、体温調節機能や発汗機能が低下するためです。
Q: エアコンが嫌いな高齢者にはどう対応すればよいですか?
ご高齢の方のお宅に訪問すると、エアコンが設置されていても、適切に使っておられないことが多くあります。エアコンが嫌いな理由を理解し、「熱中症予防のため少しだけでも」「安心のため夜もつけっぱなしで」など、気持ちに寄り添った声かけと適度な見守りが大切です。
Q: 室内でも熱中症になるのはなぜですか?
高齢者は家で過ごす時間が長くなります。しかしながら、高齢者が多く住む築年の古い家は、(近年新築される家と比較して)窓や天井などの断熱性が低いことが多く、熱が屋内に入りやすい危険があります。夏は熱中症・冬はヒートショックのリスクがあるため、住宅の性能を向上させるリフォームが必要です。
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